【モータ用インバータ】半導体駆動装置/半導体モジュール/電力変換装置

ネオテクノロジーは、モータ用インバータに関する国内特許情報を継続的にウォッチングしています。毎月、その中から技術者に役立つ注目発明をお届けします。


大型化および高コスト化を抑制しつつデッドタイムを短縮する

上下アーム短絡防止としてデットタイムを設けているが、その期間にスイッチ素子の内臓ダイオードに還流電流が流れて損失が発生します。パワー密度向上に伴い高周波化が進むと、キャリア周波数におけるデットタイムの割合が増加し損失が増大してしまいます。特WO2019-193834(三菱電機株式会社)は、オンオフ指令信号を生成する制御部と、オンオフ状態を表すオンオフ判定信号を出力するオンオフ判定部と、半導体スイッチング素子の異常の有無を検出する異常検出部と、オンオフ判定部から出力されたオンオフ判定信号および異常検出信号に基づいて状態信号を出力する状態信号生成部と絶縁通信部とを備えます。制御部は、絶縁通信部により伝送される状態信号に基づいて、複数の半導体スイッチング素子のうち他の半導体スイッチング素子を駆動するための他のオンオフ指令信号を生成します。 本発明によれば、大型化および高コスト化を抑制しつつデッドタイムを短縮することが可能になります。


放熱特性に優れ、モジュール化が容易であり、小型化にとって好適な半導体モジュール

特許-6769707(ローム株式会社)は、SiCMosFET等のパワー半導体を使用した半導体モジュールに関する発明です。パワー半導体モジュールの片面は放熱板に放熱され、もう片面は放熱性樹脂を介して放熱プレートで放熱できるようになっており両面放熱が可能です。さらに放熱シートを介して駆動部が搭載された基板に接しており、サンドイッチ構造になっています。放熱特性に優れモジュール化が容易であり小型化に有効な手段であると思います。インバータ装置の小型化にはパワー半導体の放熱性に優れた高密度実装が必要であり、半導体モジュールは今後益々注目される技術と考えます。



















アルミ酸化膜を十分に修復することができる電力変換装置

電力変換装置には、エネルギーを蓄えて電圧を平滑する電解コンデンサが必要です。この電解コンデンサは、電流印加持の発熱によって電解液が蒸発して、漏れ電流の増加または静電容量が低下し故障となります。また、電力変換装置が長時間動作せず、電解コンデンサに電圧が印加されない状態が続くと、電解コンデンサ内に水分が浸入して、アルミ酸化膜またはアルミ箔が腐食することによって短寿命となる課題があります。特WO2019-098004(三菱電機株式会社)は、電解コンデンサの温度または印可電圧を検出して、電力変換装置が停止後にアルミ電解コンデンサを電力源につないでアルミ酸化膜の修復し劣化を抑制する発明です。良い点は、装置を分解することなく電解コンデンサの長寿命化が可能な点です。インバータやコンバータ等アルミ電解コンセンサを用いた電力装置に広く展開できる面白い発明と思います。