【AI注目発明(US)】リアルタイムで動的な交通ポリシー

最終更新: 3月11日


政府は、税金や補助金を利用して、交通手段に関する行動を奨励または阻止することにより、渋滞や汚染などの交通関連の問題に対処することがあります。記憶に新しいのはGoToキャンペーンです。GoToキャンペーンは、政府が国民にインセンティブ(旅行補助金)を与え、観光業や飲食業を活性化させようとするものでした。しかし、それが裏目に出て、コロナウィルスの第2波・第3波の感染拡大を防ぎきれず、2回目の緊急事態宣言につながりました。この発明は、現在の汚染レベル、混雑、交通データ、人口密度などの要因を監視して、リアルタイムにインセンティブ(旅行補助金など)またはペナルティ(税金など)を動的に計算し、交通機関や政府の目的を達成するためのコントロールを行うシステムの発明です(US20210027391、Cubic)。


政策(アメとムチの使い分け)

このような政策(アメとムチの使い分け)は、様々な領域で行われています。例えば、EUは、気候変動対策や省エネルギー対策を重視し、2020年に発表した新たな成長戦略「欧州グリーンディール」において、「2050年に温室効果ガス排出が実質ゼロとなる『気候中立』を達成する」という目標を掲げ、持続可能な輸送システムの構築という大きな視点から、数々のEV普及策を推進しています。一方で、EUはCO2排出量に関する規制を強化し、所定のCO2排出量を超過すると罰金が徴収されます。


リアルタイムで動的な交通価格設定

政府は定期的に税金や補助金を調整できる場合がありますが(たとえば、平日のラッシュアワーに税金や補助金を増やすなど)、しかし、交通関連の問題にリアルタイムで対応することはできていません。この発明は、地域または都市当局が、トランジット、ライドシェア、道路使用のためのリアルタイムのデータ駆動型価格設定を通じて、政策結果に影響を与えることを可能にします。


Fig.1は、全体を示す図です。

  • 旅行者100は、輸送業者102に旅行の見積もりを要求します。

  • 輸送業者102は、旅行の予約代理店(例えば、UBER、LYFTなど)です。インターネットなどで旅行予約サイトを提供します。

  • 輸送オペレータ104は、様々なタイプの輸送オペレータを含みます。例えば、相乗りおよびライドシェアのオペレータ、公共交通システム(ライトレール、バス、旅客列車、自転車、スクーターなどの共有)。

  • 各輸送オペレータ104は、要求された旅行に関する情報(例えば、出発地、目的地、旅行時間など)を使用して、旅行価格決定のための独自のアルゴリズムを使用して計算して入札を行います。

  • 輸送オペレータ104は、輸送業者102および旅行者100に見積もる合計価格に、税金または補助金を含めることを選択できます。さらに、旅行が発生すると、モビリティポリシーエンジン106によって、未払いの税金または補助金に注意する一般的な台帳にエントリが作成されます。

  • モビリティポリシーエンジン106は、混雑、排出、大気質、公平性、アクセスなどを含む異なるポリシー優先順位に基づいて、増税または補助金を提供します。

  • 政府(またはモビリティポリシーエンジン106を監督する他のエンティティ)は、旅行で使用されるガス1ガロンあたりの料金などの固定ルールを選択できます。ルールは、毎月、毎日、毎時などのように定期的に交代することができます。

  • リアルタイムの空気を含むその瞬間の考慮事項に基づいて、税金または補助金の見積もりを生成する動的価格設定モジュールを設定します。品質データ、リアルタイムの混雑データ、交通事故や混雑などのリアルタイム情報の構成に応じて、税金または補助金の値はリアルタイムで計算されます。


マルチモーダルトリップの場合、輸送業者102は、トリップの各区間を入札に出すことができ、複数の輸送オペレータ104から複数の見積もりを受け取ることができます。Fig.2に示されるように、輸送業者は旅行を2つの区間に分割し、他の輸送オペレータ(図示せず)の中で、プロバイダAはブロック206で旅の第1の区間の入札を提供し、プロバイダBはブロック208の旅の第2の区間の入札を提供します。これらの入札の一環として、プロバイダA・Bは、情報をモビリティポリシーエンジンに送信して、ブロック210で税金・補助金情報を計算します。

新型コロナウィルスのパンデミックによって、人々の行動様式が大きく変化しました。持続可能な社会を考えると、テレワークや時差通勤など組織や個人の意識に基づく行動だけでなく、地域の交通システムを管理・維持するための新しいアプローチとして、道路利用者の課金スキームの見直しが必要かもしれません。

マンスリー特許情報「人工知能(AI)の用途」

ネオテクノロジーは人工知能(AI)を活用した具体的用途に関する国内・米国特許情報を継続的に調査し、見やすく整理してお届けしています。特に、人工知能先進国であり全世界の優れた発明が集まる米国特許情報から、先進企業が人工知能をどんなビジネスに生かそうとしているのかを見ることができます。

マンスリー特許情報「人工知能(AI)の用途」のご案内はこちら


「人工知能(AI)」レポートのご案内

人工知能AI技術は、いま最も注目されており、今後の発展が期待され、急速に変革を進めつつある最先端技術です。

「人工知能(AI)」レポート情報はこちら