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デッドタイムによる誤差電圧の変化抑制



インバータ制御は上下アームのスイッチが同時にオンすると貫通電流が流れて破損するという課題があります。そのために上下アームをスイッチングする際にはデッドタイムを設けて同時ONを防止する方法がとられています。


今回注目したのは、デッドタイムによる誤差電圧の変化を抑制する発明です。(特許-6760218、トヨタ自動車株式会社)


デッドタイムに起因する誤差電圧がPWM信号の電圧に重畳されてスイッチング素子へ出力されると、複数のスイッチング素子への出力電圧が変化してモータから出力されるトルクが変化してしまいます。この発明はこのデッドタイムによる誤差電圧の変化を抑制する方法です。


具体的には電流実効値と電流進角値とを設定し、モータの各相の電圧指令と搬送波の電圧との比較により生成されるPWM信号を用いて、複数のスイッチング素子をスイッチング制御する方法です。モータの各相電流のうちの何れかがゼロクロスする電気角が、複数のスイッチング素子のスイッチングにおいてデッドタイムとなる電気角範囲外となるように電流進角値を設定します。



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《ネオテクノロジーの専門技術スタッフYNのプロフィール》

パワーエレクトロニクスを担当。電源機器メーカ開発部長、イギリス研究所駐在、JEITA電源委員などの経験を活かし電源特許情報定期監視、技術監修として活躍。


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